Loading...

矯正歯科治療について

代表的な症例や治療のよくあるご質問を掲載しています

ホーム 矯正歯科治療について

矯正歯科治療について

矯正歯科治療って何?

悪い歯ならびや噛み合わせを、きちんと噛み合うようにして、きれいな歯ならびにする歯科治療です。しかし、きれいな歯ならびにするために、歯を削って「差し歯」にすることは、基本的にはありません。矯正装置を通じて、歯やアゴの骨に力をかけてゆっくりと動かして、歯ならびと噛み合わせを治していきます。歯がふぞろいだったり、上下のアゴの歯ならびがお互いにちゃんと噛み合わない状態を、専門的には「不正咬合」といいます。

この不正咬合をそのままにしておくと下記のような問題がでてきます。

  • 食べ物がよく噛めない
  • 歯槽膿漏になりやすい
  • 口臭の原因になる
  • アゴの関節に負担をかける

矯正歯科が必要な「不正咬合」

代表的な症例をご覧下さい。

出っ歯(上顎前突)

出っ歯(上顎前突)

上の前歯が強く前に傾斜していたり、上の歯ならび全体が前に出て噛んでいます。また下のアゴが小さかったり、後ろにあることで見かけ上、出っ歯にみえることもあります。この状態では、口を楽に閉じることができませんし、顔のケガで前歯を折ったり、くちびるを切ったりしやすいです。またこの噛み合わせにより、下の前歯が上の前歯の裏側の歯ぐきを傷つけていることもあります。

受け口(反対咬合)

受け口(反対咬合)

下の歯が上の歯より前に出ている噛み合わせです。上下の前歯の傾きに問題がある場合と下のアゴが大きすぎたり上のアゴが小さすぎることによる場合とがあります。アゴの大きさに問題がある場合、アゴの骨の成長によって変化しますので、成長のメドがたつまで長く追いかけていかなければなりません。うまく噛めないだけでなく、聞き取りにくい話し方になることが多いです。

八重歯・乱ぐい歯(叢生)

八重歯

八重歯・乱ぐい歯(叢生)

乱ぐい歯(叢生)

乱ぐい歯(叢生)

歯ならびがデコボコになっている状態を「乱ぐい」といいます。上の糸切り歯が歯ならびから飛び出しているのを、普通「八重歯」と呼びます。日本では「かわいい」と言われることもありますが、欧米では「ドラキュラの歯」と呼ばれ嫌われます。歯がならぶ場所=骨の大きさとそれぞれの歯の大きさとの間のアンバランスでこのようになります。歯みがきの時に歯ブラシが行き届かずに汚れが残りやすく、虫歯や歯槽膿漏の原因となります。

開咬

開咬

噛んできても、特に前歯が噛み合わない状態です。前歯で食べ物をうまく噛みきることができないだけでなく、正しい発音ができないことが多いです。幼稚園児や小学生になっても、下の写真や図のような指しゃぶりを続けていることが原因になることもあります。他には「舌」の悪い癖や遺伝的な問題も原因となります。

手術が必要な顎変形症

手術が必要な顎変形症

23歳の男性です。「食べ物がかみ切れない、歯並びの真ん中がずれている、かみ合わせが反対、下アゴが出て、曲がっている」とのことで、矯正治療を希望されました。

「反対咬合を伴う顎変形症」と診断され、矯正治療のみでは、安定したかみ合わせにすることは非常に困難で、またアゴの曲がりを改善するために、アゴの骨に対する外科手術を併用することとなりました。外科手術により、上アゴの骨を前方に、下アゴの骨を後方に移動させ、その手術前後に矯正治療をおこないました。

入院が必要ですし、アゴの骨を切りますが、手術自体は口の中から切るので、顔に傷跡も残らず、安全度の極めて高い手術です。ご安心下さい。

アゴを切る手術は以前より健康保険が認められていましたが、近年、手術前後の矯正治療についても健康保険が適用できる歯科医院も増えてきました。

レントゲン写真のGIFアニメ

歯のはえかわり

歯のはえかわり

顎骨の成長

顎骨の成長

矯正治療中の変化

矯正治療中の変化1 矯正治療中の変化2

矯正歯科治療が保険診療の適用になる場合とは

こちらのページををご覧下さい。

矯正歯科治療が保険診療の適用になる場合とは

矯正歯科治療のQ&A

矯正歯科治療のなぜ?どうして?にお答えします。

ご質問をお受けいたします前に

  • 以下に、よくあるご質問内容に対する回答を記載しております。メールでご質問される前に、該当の箇所をクリックして読んでみてください。
  • ここに、示されている内容と同様な質問の場合は、個別メールでの回答をしないことがあります。また、ご質問メールに、年齢・性別・都道府県名を含め、詳しく記されていない場合にも回答できない場合があります。
  • 特定の矯正歯科医に対する個人批判や対応を求めるメールには回答いたしませんことをご了承ください。
  • また、「良い矯正歯科医を教えてください。」等のご質問に対しては、個別の矯正歯科医をご紹介することは致しておりません。このホームページにある「日本矯正歯科学会 認定医・臨床指導医を探す」より全国の日本矯正歯科学会認定医・専門医の氏名が検索できます。ご参考にしてください。

よくあるご質問

ここには矯正歯科治療を受けられる前から、受けた後までを時系列で示しています。

A.悪い歯並びや噛み合わせ(不正咬合)について

A-1.治療の必要な不正咬合の判定基準

私の歯並びはかなり悪く、人から指摘されることがあります。治すべきかどうか、判定する方法があれば教えてください。

通常、私たち矯正歯科医が診て、完全に美しい歯並びと咬み合わせの人はほとんど稀で、大なり小なり悪いところがあるようです。日常生活において支障をきたしていると考えられる場合、治療の対象となりますので、一度矯正歯科の医療機関でご相談されることをお勧めいたします。

また、口元が出ているなど、歯に起因する顔の美醜も問題になることがあり、劣等感など精神的問題につながることもあります。簡単な歯並びや咬み合わせのチェックには、以下のようなことが挙げられています。

  1. 顔や歯並びが左右対称か
  2. 横顔で唇がひどく出ていたり、引っ込んでいることはないか
  3. 上の歯はすべて下の歯を覆っているか
  4. 上下の前歯の中心が一致しているか
  5. 歯が重なっていたり、間に隙間はないか
  6. 上の前歯や下の前歯が前方に出ていないか、その逆はないか
  7. 前歯がひどく伸びだしていることはないか
  8. 部分的に食物が歯の間に停滞したり、はさまることはないか
  9. ひどく磨り減っている歯はないか
  10. 口臭が気にならないか

A-2.不正咬合による悪影響

私は歯並びが悪いのですが、食べることには不都合を感じていません。このままずっと放置すると、どんな不具合が起きるのでしょうか。

悪い歯並びや咬み合わせがあると、以下のような問題が起こる可能性があります。

  1. 顎の正常な成長・発育が阻害される。
  2. ますます歯並びや咬み合わせが悪くなる。
  3. 硬い食物を食べることが困難になる。
  4. むし歯や歯周病になりやすく、歯の寿命が短くなる。
  5. 口元が悪く、劣等感を感じることがある。

B.矯正歯科相談を受けられる前に

B-1.治療のメリットとデメリット

私は歯並びが悪く、矯正歯科治療を受けるかどうか悩んでいます。治療の利点と欠点を教えてください。

矯正歯科治療は、顎や歯を動かすことによって歯並びを整え、咬み合わせを改善することで、健やかな人生を送っていただくためのものです。しかし、治療のデメリットもあることを理解していただかなくてはなりません。一般に以下のことが挙げられていますが、治療を受けられる年齢や時期によって異なりますので、実際に矯正歯科医を受診され詳しくおききになられ、矯正歯科治療を受けるかどうかお決めになることをお勧めいたします。

  1. 少しずつ顎や歯を動かすために、長期間の治療となる。
  2. 基本的に保険が適用されず、自費すなわち患者さんの全額負担となるため、高額になることがある。
  3. 装置を装着するため痛みや圧迫感があり、ストレスとなる場合がある。
  4. 歯並びを整え、咬み合わせを改善するためやむを得ず、健康な歯を抜くことがある。

B-2.治療を受ける矯正歯科医院や病院の選択方法

矯正歯科治療を受けたいと考えていますが、先生によって上手・下手があり、治療期間も長く、費用も高いと聞いています。良い矯正歯科を見つける方法を教えてください。

矯正歯科治療は非常に専門性の高い医療で、一般に歯科の大学を卒業した後に、さらに十分な修練を積んだ先生が治療にあたります。治療は顎や歯を動かす前に、これらの精密な検査を行いますが、これらの検査機器が整っていることも条件であり、さらにスタッフ教育など院内体制も充実していなければなりません。

従って、料金が安いことや単に近所ということで、安易に矯正歯科医院や病院を選ばないよう注意が必要です。本学会では認定医制度を実施しており、審査に合格した先生に対して、一定以上の知識と技術を取得していると認定しています。このホームページにも氏名を掲載していますので、これらの先生の医院や病院を選択されることもひとつの方法です。

いずれにしても、矯正歯科を標榜する歯科医院や病院で矯正相談を受けられ、十分な説明を受けられた後、再度検討されることをお勧めいたします。ご不安な場合、料金はかかりますが、他の医院や病院でもう一度矯正相談を受けてみられることも良い方法です。

B-3.治療を開始する時期

矯正歯科治療を考えていますが、適切な時期というのはあるのでしょうか?また、年齢が高くなると治療ができないと聞いていますが…。

矯正歯科治療は成長・発育期に行うのがよいとされています。しかし、幼児の場合は治療自体が困難な場合もあり、ある程度分別のつく年齢からが好ましいといえます。その意味で小学生から中学生に治療開始することが多いのですが、近年では中・高年の方々も治療が可能となってきました。しかし、その年齢では成長・発育は終了しており、歯の移動が円滑でないため治療期間が長くなることが多いようです。また、むし歯などの治療を受けておられることも多く、治療の制約があったり、装置のみてくれの悪さをひどく気になさる方々もおられます。一度は、矯正相談を受けられ、お考えになることをお勧めいたします。

B-4.治療の一般的な期間と費用

矯正歯科治療を受けたいのですが、高額になると聞いています。一般にどの程度の費用がかかるのでしょうか。また治療する期間も長いと聞いていますが、常識的な期間を教えてください。

一般に、特殊な病気による不正咬合の矯正歯科治療を除いて、矯正歯科治療は健康保険が適用できません(下記、B-10参照)。従って、治療費全額が患者さんの自己負担となってしまいます。通常、歯の表側からつける複雑なマルチブラケット装置などの精密な装置を使用する場合、初診から矯正歯科治療後の保定期間の通院までも含めた一般的な総額で80~120万円程度かかるようです。難しい症例あるいは長期間の治療を要する症例では、さらに費用がかさむ場合もあります。なお、この費用は、地域、医院によって差がありますので、よくお話を伺ってください。

次に、治療期間ですが、通常の不正咬合の場合は装置を入れておく期間が2~3年程度かかり、簡単な治療で改善する場合には半年程度で済むこともあります。受け口など顎に問題がある場合などは、はるかに長い期間に及ぶ場合もあります。一度、矯正相談を受けられ、改善したい部位をはっきり先生にお伝えし、料金や治療期間をおききになり、検討されることをお勧めいたします。

B-5.矯正装置の種類

矯正歯科治療を考えていますが、装置が見えるのは仕事に支障がありそうです。どのような装置があるか教えてください。

矯正歯科医が矯正装置を選択する場合、患者さんの要望を伺った上でその患者さんの治療に最も適した効果的な装置を第一に候補に挙げます。見えにくい装置といっても、患者さんと先生の間には意識のズレもあり、患者さんが満足されない場合もあります。近年では、取り外し可能で透明な装置もありますが、治療に限界があることも多いようです。

一度、矯正歯科の医院や病院で、矯正相談を受けられ、あなたにつける可能性のある装置を実際にみていただくことが最も良い方法と考えられます。

B-6.矯正歯科治療とスポーツや吹奏楽器との関連

二人の子供の歯並びが悪く、矯正歯科治療を考えています。スポーツや楽器を吹くことなどが、悪い歯並びや矯正の装置に影響があるでしょうか。

一般に、スポーツには身体のバランスが必要であると考えられます。咬み合わせの改善によって、バランスも改善されることは種々の分野のアスリートたちも証明しているところです。矯正歯科治療中に強くかみ締めると一時的に痛みが出ることもありますが、長い目で見ると早い時期に治療されておくことをお勧めいたします。

次に、吹奏楽器を演奏する場合ですが、矯正装置を入れた当初あまり良い音色は出ないようです。しかし、数か月もすれば、慣れてもとの音色に戻るとのことで問題ないようです。

B-7.治療と受験、妊娠、転居その他の環境変化との関連

女の子の歯並びが悪いのですが、高校受験期にあります。しかし、本人はどうしてもすぐに歯並びを治したいと言い張り困っています。アドバイスをお願いいたします。

ご質問から判断して、すでにすべての歯が永久歯になっていると推察されます。このような場合、一般に使用する矯正装置はほとんど全ての歯の表面に取り付けるマルチブラケット装置を使用することが多いようです。このような装置を装着した当初、歯を圧迫して移動するため、子供では2~3日、成人では1週間程度痛みが続き、硬い食物も食べられないようですが、以降、徐々に痛みも収まり、元の食生活に戻ることが可能です。通院ごとに装置を調節するため、再び痛みがでますが、そのインターバルは短くなり軽減してきます。

いずれにしても、受験期は人生の大切な転換期であり、少しでも治療などのストレスを回避することも必要かもしれません。本人に治療を受けたい強い意思があれば、治療と勉学を両立できますが、受験後に治療を開始されてもあまり不都合はないと考えられます。

B-8.結婚後の矯正歯科治療

結婚で県外に転居しますが、同時に矯正歯科治療を受けたいと考えています。どのようなことを考慮に入れれば良いですか。アドバイスをお願いいたします。

ご結婚、転居、妊娠そして治療はすべて大きなストレスの原因となります。転居されて、落ち着かれて矯正歯科治療を受けられることをお奨めいたします。また、妊娠については初期がもっとも大切な時期で、できれば矯正歯科治療と同時進行になりませんようお考えになってください。

また、県外での良い矯正歯科医の見つけ方ですが、下記のB-9にあるような先生を見つけられるのが良い方法と考えられます。このホームページには、全国の矯正歯科医で認定医以上の氏名が検索できるようになっていますので、ご参考にしてください。

B-9.認定医、指導医および臨床指導医

現在、矯正歯科治療を考えていますが、友人から矯正の認定医、指導医および臨床指導医というのがあると聞いたことがあります。これらの先生はどのような先生なのでしょうか。

現在、本学会では資格制度を実施しており、審査に合格した先生に対して、一定 以上の知識と技術を取得していると認定しています。認定医資格をもつ先生は、5年以上の矯正歯科の学識、技術および臨床経験を有しており、指導医は12年以上の研究、教育および臨床経験を有しており、多くは大学に所属しています。臨床指導医はさらに高度な学識、技術はもとより豊富な臨床経験等を有している先生を認定しています。

しかし、これらの資格を保有されていない矯正歯科医においても、高い学識、技 術および臨床経験を有している先生も多くおられることを申し添えておきます。

B-10.特殊な治療に関する保険適用

子供の歯並びが悪く、本人も悩んで矯正歯科治療の希望しております。親も治療しておりましたので費用がかかるのは理解していますが、経済的にいろいろ問題があり、健康保険で何とか治療はできないのでしょうか。

現時点で、矯正歯科治療で健康保険が適用できるのは限られた場合のみです。健康保険が適応となるのは、顎を手術で動かすことを前提として治療する場合や指定された疾患、あるいは前歯3本以上が萌出できないことにより咬み合わせが問題となっている場合です。一般の咬み合わせが悪い状態の場合には、健康保険は適用できず全額自己負担となります。最近では、医療機関によっては月ごとの分割あるいはカードによる分割も実施しているところがありますので、ご相談ください。

C.矯正歯科でのご相談後に

C-1.歯科医院や病院を決める前に

先日、歯科と矯正歯科の看板のある歯科医院に、矯正歯科治療の相談にいってきました。よく理解できない説明の部分もあり、治療を受けるか迷っています。助言をお願いいたします。

矯正歯科治療は非常に専門性の高い医療で、一般に歯科大学を卒業した後に、さらに十分な修練を積んだ先生が治療にあたります。治療は顎や歯を動かす前に、これらの精密な検査を行いますが、これらの検査機器が整っていることも条件であり、さらにスタッフ教育など院内体制も充実していなければなりません。

先生の説明が理解できないとのことで迷っておられる場合、再度その医院に出向かれ詳しくご説明を受けられるか、別の矯正歯科医院や病院に矯正相談にいかれ、別の意見も聴いてみるのもひとつの方法です。

C-2.なぜ、矯正歯科治療の費用は高額なのか

先日、矯正歯科の歯科医院に矯正相談にいってきましたが、あまりに金額が高額なので驚きました。普通でも、こんな料金がかかるのでしょうか。

基本的に、特殊な場合(上記、B-10「特殊な治療に関する保険適用」参照)を除いて、一般的な矯正歯科治療では健康保険は適用されず、原則患者さんの全額自己負担となる上に、長期間の通院となりますので高額になります。治療費の分割を実施している医院もありますので、お電話をされお尋ねになってみてください。また、医療費控除が適用される場合もありますので、これについてもお調べになってみてください。

C-3.先生やスタッフとの相性

先日、矯正相談を受けてまいりましたが、先生が忙しかったためか、十分な説明が受けられず、その医院に決めるか別の医院にするか迷っています。アドバイスをお願いいたします。

原則全額自己負担となる高額な矯正歯科治療費をお支払いになる患者さんにとって、十分納得の上で受診されたいご意向はもっともなことです。今後の長い治療期間で、いろいろな疑問や不安もわいてくるかと考えられます。その都度、先生やスタッフにご質問され、解消されていくことになりますが、あらかじめ丁寧にご説明される医院を選ばれることをお勧めいたします。

とにかく、矯正歯科治療は長くかかりますので、技術を含め相性の良い医療機関を選択することも大切な要件です。

C-4.見えにくい矯正装置

仕事柄、裏側からの装置を希望して矯正歯科相談に参りましたが、先生は「上の歯には裏側からの装置でもよいが、下の歯には表側からの装置にしませんか。」と言われました。私としては下も裏側からの装置を希望なのですが、何か問題があるのでしょうか?

ご希望された装置はリンガルブラケット装置と考えられます。この装置は他人にはほとんど判らないという利点がありますが、多くの欠点もあります。まず、歯の裏側に取り付けられているため、舌が接触して痛みを感じること、しゃべりづらいことや歯磨きがしにくいことがあります。また、上下の歯の咬み合わせの具合によって、リンガルブラケット装置を付けることができない場合もあります。何より歯の裏側の装置を調節することは非常に高い技術を必要とし、治療時間も治療期間も長くなり、100万円を超える治療費となってしまいます。

このような理由で、「下の歯には表側からの装置にしませんか。」と言われたと考えられます。我々矯正歯科医も矯正装置を選択する場合、最も効果的でできれば見えにくい装置を選択していますが、無理な場合もあることをご理解ください。近年では、取り外し可能で透明な装置もありますが、治療に限界があることも多いようです。

再度、その先生にご質問され、十分なご理解の上で治療に入られることをお勧めいたします。

C-5.矯正のための手術について

受け口の矯正歯科治療希望のため、矯正相談をしたところ、随分悪いため顎の骨を切る手術を勧められました。手術をしなければならないほど悪いとは考えておりませんでしたので驚いています。このような例は多くあるのでしょうか?ご返事をお待ちしています。

歯並びや咬み合わせ(不正咬合)が極めて悪い場合、とくに上下の顎がずれていることが原因で生じた不正咬合は、まず顎の大きさを改善することが正しい治し方といえます。顎がずれを治療せずに、歯を動かす矯正歯科単独治療で改善しようとしても、なかなか無理があり、いずれ元の悪い状態に戻ったり、歯の寿命を早めてしまう危険性もあります。

このような不正咬合の方は顔貌も好ましくなく、手術によって大いに改善される可能性があります。一般に、手術を行う場合、手術の半年から1年前にマルチブラケット装置を装着して矯正歯科治療を行い、そのまま手術後にも咬み合わせの微調節を行うために歯の移動を行います。これら一連の治療については健康保険が適用されます。

いずれにしても、これらはあくまでも一般論ですので、実際に手術をお受けになる病院で、手術の方法とリスク、また予想される入院期間や回復までの期間、さらには後遺症や治療費などに関して、十分説明をおききになり、十分な理解と納得の上で治療を選択されることをお勧めいたします。

C-6.医療費控除

矯正歯科治療でも医療費控除ができると聞いたことがあります。私は会社に勤めていますが、医療費控除ができるのでしょうか。

医療を受けられた場合、確定申告の際に医療費控除の手続きをすれば税金の一部が戻ってくることがあります。咬み合わせや歯並びを改善する矯正歯科治療では、発育段階にある子供はその対象になります。成人の場合、美容のみを目的とした矯正歯科治療では医療費控除の対象にはなりません。詳しいことは管轄の税務署にお尋ねください。戻ってくる金額は所得や医療に費やした費用によって異なってきます。医療機関で発行された領収書は必ず保存しておいてください。

C-7.診断書

子供が矯正の治療をしていますが、主人の会社で高額療養費の場合、診断書を提出すれば、一部負担の可能性があることを聞きました。矯正歯科の先生に診断書を書いていただく場合、費用がかかるのでしょうか。

医療機関で発行される診断書等の文書料は、健康保険が適用されず、全額自己負担となってしまいます。文書料も一律ではなく、一般的には1,000~5,000円で、学校や会社を休む場合などの簡単な診断書や保険会社に提出する診断書等によって金額が変わります。発行される医療機関でお尋ねになってください。

D.矯正歯科における検査

D-1.なぜ、多くの検査をするのか

子供が矯正の治療を受けることになり、検査を受けました。事前に説明を受け納得したことですが、なぜ矯正の検査料金は数万円以上と高額なのでしょうか。

むし歯などで歯科の医院や病院で検査する場合、むし歯になった歯の数本のレントゲンなどの検査で済むことも多く、しかも多くの場合健康保険が適用されることになります。しかし、矯正歯科治療ではほとんどの歯を移動することが多く、上下の顎の状態も診ておかなければならず、顎の関節等についても必ず診断しておかなければなりません。その上に、多くの場合健康保険が適用されないため、患者さんの全額自己負担となってしまう関係上、高額になることをご理解ください。

D2.どのような検査をするのか

矯正歯科の検査は高額と伺いましたが、どのような種類がありますか。

矯正歯科治療をする前には、必ず矯正歯科検査が必要です。通常、①問診、②口腔内診査、③レントゲン写真(頭部X線規格写真〜横顔、正面、パノラマX線写真、歯のX線写真など)、④顔と口の写真、⑤歯型になります。さらに、必要ならば、顎関節のX線写真、顎運動機能検査などが追加されます。

D-3.顔写真などに関する個人情報の保護

矯正の検査の際や治療の途中に、顔写真をとられます。これら私の写真が矯正治療の説明のときに見せていただいたアルバムに載るのはあまり良い気分ではありません。このような場合には写真を拒否できるのでしょうか。

矯正歯科の検査では、必ず顔写真をとらせていただきます。これは顔面の左右非対称性を調べたり、矯正歯科治療中の顔の変化を診断するために非常に重要でどうしても必要な検査といえます。しかし、あなたの顔写真その他を学会発表など公衆の眼に触れる場合には、個人情報保護法に基づき、あなたの同意を必ず得ることになっています。無論、アルバムに掲載する場合も同様です。同意を求めた際に拒否されれば、歯科医師や医師の守秘義務により、あなたの顔写真その他が公開されることはありません。

D-4.治療中の定期検査

現在、子供が矯正に通っていますが、レントゲンを沢山とられ、その被曝が心配です。大丈夫なのか、アドバイスをお願いいたします。

矯正歯科治療は長期間の治療となることが多く、歯の多くを動かし、時には顎や顎関節などの変化を定期的に診て異常がないか確認しなければなりません。レントゲンの撮影時には、鉛で覆われた防護服を必ず着用しなくても良いと言う見解(日本歯科医師会)もあります。しかし、被曝を最小限にとどめるために着用を希望の場合は主治医にその旨をお伝えください。一般に、日常の太陽光線などによる被曝と同じ程度の範囲内で行われているはずですが、ご質問ではどのようなレントゲンの種類や撮影回数・間隔などが不明であり、ご心配であれば主治医にお尋ねになってください。

E.矯正歯科診断

E-1.抜歯

現在12歳の男の子の矯正治療をすることになりましたが、先生から説明を聴いた際に歯を4本も抜くといわれ、非常にショックでしたし、子供も怖がっています。健康な歯を抜いても将来問題は起こらないのでしょうか。

我々矯正歯科医も抜歯することは基本的に行いたくないのは当然であります。何とか抜歯しないで済む方法はないか、先生がいろいろ考えた挙句の抜歯とご理解ください。矯正歯科治療は現在と将来のために咬み合わせや歯並びを改善するのであり、お子さんの場合にはそれらを達成するために抜歯がどうしても必要な措置ということではないでしょうか。無論、治療のための抜歯につきましては、本人そして保護者の同意のもとに行われるもので、納得いかれるまで主治医にお尋ねになってください。

E-2.装置の選択

中学1年の女の子ですが、全部の歯が永久歯になったので、上下の全部の歯の外側に装置を付けることになりましたが大変そうです。近所のお子さんは取り外しのできる簡単な装置で治ったとのことですが、娘にもこのような装置で治療することはできませんか。

矯正の患者さんに装置を入れる場合、矯正歯科医はまず歯が効果的に動き、痛みの少ない見えにくい簡単な装置を選択したいと考えます。しかし、お嬢さんの場合、ガタガタの歯並びや出っ歯などで多くの歯を動かさなければならないのではないかと思われます。このような場合には、多くの歯の外側に取り付けるマルチブラケットという装置を使用するほうが正確に迅速に多くの歯が移動するため、簡単な装置を使用するより治療期間が短縮され、歯並びも噛み合わせも随分良くなるはずですのでお嬢さんもお母様も納得されてから治療を受けてください。

F.矯正装置装着後

F-1.痛みについて

数日前に歯の表面に取り付けるマルチブラケットという装置を入れましたが、痛みが激しく我慢できません。食事もままならず、矯正の治療をしたことを後悔しています。装置を入れると痛いと聴いていましたが、こんなものなのでしょうか。

通常、マルチブラケット装置を入れ、歯の移動を開始すると歯が周囲の歯肉や骨を圧迫したり、装置が唇や頬の裏側に擦れるなどで痛みが発生します。通常、痛みの程度や持続期間には個人差がありますが、子供では3日間程度、成人では1週間程度痛みが持続します。それ以降になると、痛みは徐々に軽減し、食事もできるようになってきます。あなたの場合、我慢できない後悔するほどの痛みということであれば、歯が少し強く圧迫しているのかもしれません。早めに、先生にご相談してみてください。

F-2.食事について

昨日、矯正の装置を入れた子供が痛くて、食事ができないと流動食やジュースばかり飲んでいます。このままでは体重も減って痩せてくるのではないかと心配しています。いつまでこのような状態が続くのでしょうか。

矯正の装置を入れた当初、痛みが持続します(上記、F-1参照)。それ以降になると、痛みは徐々に軽減し、軟らかい食物を摂取できるようになってきます。しかし、歯が移動し揺れてきますので、当分の間、繊維性の多い野菜やお肉を噛む際に痛みが生じ、噛み切ることができない場合もあります。よほど硬い食物は別にして、じきに通常の食事ができるようになってくると考えられます。

F-3.歯磨きについて

14歳の男子ですが、矯正の装置を入れ1か月程度経ちました。非常に複雑な装置のようで、歯磨きを十分にできないようで、いろいろな色の食べ物がはさまっているのが、母親の目にも映ります。1年以上、このような装置をずっと付けて虫歯になるようなことはないでしょうか。

矯正の装置が入ると、確かに十分に歯磨きをすることがかなり困難になります。従って、我々矯正歯科医は装置を入れる前に十分な歯磨き指導を行い、お口の中の爽快感を体感して、複雑な装置を入れてもその爽快感を維持していただこうと考えています。最近では、フッ素入りの歯磨き剤がほとんどであり、虫歯の発生はかなり低くなってきましたが、粘着性のある食物は極力避けていただき、三度の食事の後は必ず歯磨きを励行するようお願いをしています。奥歯の装置周辺はとくに食物の残りカスが停滞しやすく、虫歯の発生や歯肉が盛り上がることがあります。

外食される場合には、必ず歯ブラシを持参するようにしてください。学校などで歯磨きができにくい場合は、せめてうがいをするようにお願いします。矯正用の歯ブラシや円錐形の歯間ブラシもありますので、複雑な装置の周辺ではこれらを併用することをお勧めいたします。

F-4.転医

現在、矯正治療中ですが、数か月後に県外転居となり、通院できそうにありません。どのような対処をすればよろしいでしょうか。アドバイスをいただければ幸いです。

矯正歯科治療は、長期間の治療となり、このような問題はよく起こることです。今後、あなたが行うべき対応には以下が考えられます。

  1. 早急に、現在通院中の医療機関に通院不能になること、そして転居先の住所の連絡を入れる。
  2. 今後の治療を引継ぐ矯正歯科医をHPの日本矯正歯科学会認定 認定医・専門医名簿から探す。
    地域によっては、適当な矯正歯科医が近くにいない可能性があります。遠隔地の医療機関に通院する可能性があることも認識しておいてください。場合によっては、主治医に相談されてもよろしいかと思います
  3. 現在通院中の医療機関における治療費精算の問題を主治医と話し合う。
    日本矯正歯科学会には、倫理規程「矯正歯科患者の転医に際しての矯正歯科の返金に関する指針」があります。これは、診療の進行状態に応じて料金を精算するものです。もう一度、治療開始当初の医療機関の書類に目を通してご相談ください。
  4. 通院中の医療機関にある資料が引き継ぐ矯正歯科医に渡るよう手配していただく。
    引き継ぎ資料とは、紹介状や依頼状、治療前の模型、写真、レントゲン写真などの検査資料、治療経過や治療費に関する書類です。これらは引き継ぐ矯正歯科医にとってあなたの診療をスムーズに進めるための重要な情報です。なお、作成するための費用は、一般的には10,000円から30,000円となります。

F-5.先生やスタッフへの不信感

現在、矯正の治療で通院中ですが、先生やスタッフの治療や対応に不満を持っており、別の矯正歯科に替わろうかとも考えています。よいアドバイスをお願いいたします。

矯正歯科治療は長期間の治療となり、長い間の通院中には大なり小なりのご不満が出てくることは確かです。このコーナーにいただく質問の中で最も多いご不満の原因は、患者さんと先生の対話不足です。あなたのほうから主治医に治療の進行状況、不安や不満なことについて一度お時間をとっていただき、お話しされてみてはいかがでしょうか。別の医療機関に替わることは、これまでの治療が停滞したり、費用の問題など不利益が大きいので、極力避けるほうが賢明と考えられます。

本学会では、このような患者さんと先生の個別契約の問題につきましては、それぞれ個人の問題であり、仲介することはできず、あくまでアドバイスしかできないことをご理解ください。

F-6.治療が長引く疑問や不満

現在、矯正の治療を受けていますが、初めに先生が矯正装置を入れておく期間は2年程度と説明されました。しかし、3年目に入っており、治療が長引いているようですが、先生から何も説明がありません。こんなに延長することはよくあることなのでしょうか。

矯正歯科治療は顎の関係を改善したり、歯を無理のない程度に少しずつ動かすために予想以上に長引いたり、逆に予想外に早く終わることがあります。とくに、成人の治療では堅い骨の中の歯を慎重に移動するため、思いのほか長引くことが稀にあります。あなたのご質問では、治療が長引く原因はわかりませんが、先生から何も説明もないのは好ましくありませんので、一度お時間をとっていただくよう先生にお願いされてみてはいかがでしょうか。

F-7.治療方針の変更

11歳男子で受け口の治療で矯正歯科に通院中ですが、はじめは永久歯を抜かなくても良いとのことでしたが、先日永久歯を2本もしくは4本抜歯しなければならないと説明を受けました。本人も親も非常にショックを受けており、できれば抜きたくありません。このような治療方針の変更があることは多いのでしょうか

ご質問から推察すると、まず受け口の治療で乳歯も多くある時期から治療を開始されたように考えられます。このようなまだまだ乳歯の多い時期からの治療では、予想外に顎の成長大きかった場合や予想外に大きな永久歯が生えてきた場合に、永久歯の抜去を治療途中からご提案することがあります。我々矯正歯科医もできれば永久歯の抜去をしたくないのは当然でありますが、想定外の問題が発生しますと、その対応のために当初との説明とは異なったご提案をすることがあります。一度、よく主治医におききになってみてください。

F−8.セカンドオピニオンについて

治療が長引いて、別の治療法を提示されました。他の先生の意見を伺いたいです。セカンドオピニオンを受けるための手続きはありますか。

セカンドオピニオンは、これからの診療方針などに関して他の医療機関の先生の意見を受けることです。あくまでの主治医のところでの診療継続が条件です。セカンドオピニオンを受けたいときには、主治医の先生に申し入れてください。主治医は検査資料、今までの治療経過に関する書類を作成いたします。その資料、書類を提示して他の医療機関をセカンドオピニオンとして受診することになります。なお、費用について、一般的な資料作成には10,000円から30,000円かかります。さらに、他の医療機関でも、セカンドオピニオンを受けると回答作成まで入れて10,000円から30,000円かかることが一般的です。

G.保定中

G-1.保定装置の重要性

現在、15歳の息子で、矯正治療が終わり、取り外しのできる保定装置というものになりましたが、面倒がってなかなか使用しません。やらなかったら悪くなるのでしょうか。

歯並びや咬み合わせの改善のための歯の移動が終わると、新しい歯の良好な位置を維持するための保定が始まります。移動完了直後の歯はかなり動揺しています。これは、歯の周囲の骨や歯肉などの組織がしっかり歯を堅固に取り巻いていない理由によります。従って、保定装置を使用しなければ、もとの悪い不正咬合に戻ってしまうことになりかねません。通常、1年以上はできるだけ毎日保定装置を使用する必要があります。どうしても忘れてしまう場合には、固定式の保定装置に切り替えることも考慮に入れなければなりません。主治医に相談してみてください。

G-2.後戻り

学業が忙しいせいか、高校生の娘が保定装置をついつい忘れ、歯並びが悪くなってきたような気がします。本人も気にしているようです。このような場合、どうすれば良いでしょうか。アドバイスをお願いします。

保定装置を使用しなければ、もとの悪い不正咬合に戻ってしまう傾向が出てきます(上記、G-1参照)。できるだけ早い時期に主治医にご相談ください。気になるほど悪くなっているようであれば、再治療となりますが、早い時期であれば多くの場合、短期間で治療を終えることができます。

G-3.歯磨きについて

矯正の装置がやっとはずせて、現在は保定ということで、歯の裏側に針金が留めてあります。矯正の装置が入っていたときは、歯磨きがしにくかったのですが、装置がはずせた後の歯の磨き方を教えてください。

装置がはずせた後の通常の磨き方は、まず奥歯の噛む面を磨き、続いて歯の裏側そして表側を磨いていきます。問題は磨く方向です。歯と歯の間は窪んでおり、横磨きするとそこの部分が磨けません。立て磨きするよう習慣づけてください。針金で留めてある歯の裏側は、食べ物のカスが停滞し虫歯になりやすいので、いろいろな方向から磨いてください。

H.予後観察時

H-1.歯並びが悪くなった場合

矯正歯科に通院しなくてよくなった後、徐々に歯並びが悪くなってきたような気がします。現在、結婚して県外におり、治していただいた先生のところに行くことができません。どのようにすれば良いでしょうか。

矯正歯科治療が完了した後でも、歯並びや咬み合わせは変化します。通常は良い方向に変化していくのですが、親しらずが生えてきたり、むし歯や歯周病が起こったり、妊娠や加齢その他の身体の変化で歯並びや咬み合わせが悪い方向に変化することがあります。悪くなった歯並びの写真を撮り、矯正をしてくださった主治医に写真を送付し、アドバイスを受けてください。

H-2.虫歯や歯周病になった場合

随分以前に矯正の治療を受けてよくなったのですが、先日、虫歯のために医者さんに行くと、歯を抜かなければならないといわれました。歯を抜くと再び歯並びが悪くなることはないでしょうか。

良い歯並びや咬み合わせは、いろいろな原因で悪くなってくることがあります(上記、H-1参照)。虫歯で歯を抜くと、その空隙を埋めようとして咬み合っていた歯は骨から伸びてきますし、前後の歯は倒れてきます。しかし、おそらく抜歯した部位にはブリッジという前後の歯を土台にした人工の歯を入れますので大丈夫です。歯周病になっても歯並びが崩れてくることがあるので、歯を適切に磨く習慣をつけ、定期的に歯科に通院することをお奨めいたします。

H-3.親しらずの抜歯

矯正の治療が終わったのですが、親しらずは抜いたほうが良いと先生に言われました。親しらずを抜くときには痛くて腫れるとのことで抜きたくないのですが、やはり抜かなければなりませんか。

親しらずは生える場所がなく、しばしば斜めに生えてきたり、埋まったままになることがあります。その上、むし歯になって痛くなったり、親しらずが前の歯を押して歯並びを崩すことがあるため、その危険性のある親しらずをあらかじめ抜歯することが多いようです。

I.再治療

I-1.再治療の内

子供の頃に取り外しのできる装置で矯正をしたのですが、大人になってガタガタの歯並びになってきました。もう一度、矯正することも考えていますが、また悪くなることはないでしょうか。

子供の頃、矯正した歯並びや咬み合わせが悪くなることが稀にあります。この原因は、それ以降に生えてきた歯がすでに生えている歯を押したり、成長によって咬み合わせが変化してきたことなどが考えられます。再度矯正歯科治療をお考えのようですが、今度は歯もすべて生えており、成長も終了しているために、しっかりした治療をし、しっかり歯を留めておく保定装置をやっておけば大丈夫と考えられます。ただし、かなり年齢が高くなると、老化等によってある程度は歯並びや咬み合わせが悪くなることはご理解しておいてください。

上記以外のご意見・ご質問はこちらから