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矯正歯科診療のガイドライン 上顎前突編

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矯正歯科診療のガイドライン 上顎前突編の一般公開にあたって

公益社団法人 日本矯正歯科学会 理事長 清水佳典
診療ガイドライン策定委員会委員長 田中栄二

診療ガイドラインとは、病気やその治療法について知りたいときの手助けになるように、新しい医学的な情報や専門医の助言をまとめた文書です。したがって、定期的に更新される診療ガイドラインがあれば、医師・歯科医師同士あるいは医師や歯科医師と患者さんとの間で適切な診療方針の検討に役立ちます。さらに、根拠のある医療(EBM)を効率よく行えるだけでなく、同じ情報を皆さんと共有できることから、医療の透明化も期待されます。ただし、診療ガイドラインは一般的に手順書としての強制力はなく、患者さんの病状や治療環境など諸事情を総合的に検討した結果、ガイドラインの推奨とは異なる診療を行うことも珍しくはありません。

このたび公益社団法人日本矯正歯科学会は、平成25年12月に作成しました「矯正歯科診療のガイドライン 上顎前突編」を一般公開いたします。本ガイドラインは、「わが国の実状に即した標準的な治療を明らかにすることにより基本となる診療ガイドラインの普及を図り、矯正歯科治療の意義ならびに標準的な診療内容に関する情報を患者や家族に開示することで、患者さんが安心安全な矯正歯科治療を受けられるようにすること」を目的として作成しましたが、医学書などの文献検索の結果、矯正歯科関連の論文にはエビデンスレベルが高いものが少なく、さらには日本人を対象とした論文もないため、それのみを規範とすると様々な誤解を招く恐れがあると判断されました。そのため、診療ガイドラインの内容をClinical Questionに対する調査結果という形式に留め、今後の更なる調査研究が必要であることを明記しております。

本ガイドラインを多くの方に広くご覧いただき、矯正歯科診療の透明化につながることを願っております。